手掛けた仕事 WORKS

I House

I HOUSE

敷地は、大久保通りの繁華街から路地を入った住宅街の中にあり細い道路が交わるT字路の角に位置しています。
敷地周辺には住宅やアパート、マンションが密集し、雑多な街の様を呈しています。そのような敷地環境の中で、周辺の建物や人々の視線に対し配慮し閉じつつも、外部空間を取り込む開放的な住宅を計画しました。

施主さまの求められた主な事柄は、地域柄セキュリティーの整っていること、堅牢な打ち放しコンクリートの外観、友人などが集まれる場所であること、プライベートなルーフバルコニー、外部に向かって開放的な浴室であることなどです。
閉じることと開くことの相反する条件を満たすことから今回の計画は始まりました。

建物の構成は、各階を南北に分けるように東西軸に真っ直ぐな階段を配置しています。
1階は、南側のエリアに和室、北側のエリアにエントランスと駐車場。
2階は、南側のエリアにゲストルーム、北側のエリアにオープンなキッチンとダイニングとリビング。
最上階は、南側のエリアに個室、北側のエリアにルーフバルコニーとバスルーム。

階段は、それぞれのエリアを分割し、かつ繋ぐ役割をもつと共に、光や風を建物に満たす役割も担っています。それらに導かれながら、1階のエントランスホールから、光に満ち溢れた最上階のルーフバルコニーに至るというのがこの住宅のストーリーとなります。ストーリーの構成要素となる様々な部分において「閉じる/開く」ということを繊細に調整することで、雑多な周辺環境から距離をとりつつ、光の移ろいや風の流れが感じられる豊かな内部空間をつくることを意図しています。

最上階のルーフバルコニーは、周辺の環境から完全に遮られた天空のみに開かれた空間となっています。
ルーフバルコニーでは周囲を気にすることなく、友人などを集めバーベキューや音楽、映像など楽しめる場所です。
暑い日にはバルコニーから直接バスルームのシャワー使うことや、浴槽に浸かりながら星空を眺めることも可能です。

■外観
コンクリート塀やテラスのヴォリュームによって閉ざされたアプローチからエントランスに入っていきます。
打ち放しコンクリートによる無機質で閉ざされた、クールな外観の印象とは対照的に、光の移ろいや風の流れが感じられる豊かな内部空間が広がった住宅となっているのです。

■玄関・階段室
エントランスホールに入ると、上階の床と階段の隙間から落ちる一筋の光によって上へと導かれていきます。上階に行くほどに、徐々に空間の明度が高まっていきます。
階段は最上階にてルーフバルコニーに面しており、トップライトとハイサイドライトが空けられていいます。

■リビング
2階は、階段とひとつながりの空間となったLDKとなっています。
したがって、2階のLDKは、時間の経過とともに様々な表情を見せる移ろいのある光が落ちてくるとこによって、空間が彩られていくのです。

リビングダイニングに面して、料理家である奥さんの為の舞台装置のようなオープンキッチンがセットされています。友人が集った際には、LDKに付属するテラスを開放し、内外一体としてオープンキッチンを回遊できる使い方が可能です。テラスの手摺は少し高めに設定されているため、周辺からの視線は遮り、隣地の樹木のみを借景として取り込みます。手摺の高さ丁寧に設定することで周辺環境に対して閉じる/開くということを操作しています。

■ルーフバルコニー
リビングダイニングに面して、料理家である奥さんの為の舞台装置のようなオープンキッチンがセットされています。友人が集った際には、LDKに付属するテラスを開放し、内外一体としてオープンキッチンを回遊できる使い方が可能です。テラスの手摺は少し高めに設定されているため、周辺からの視線は遮り、隣地の樹木のみを借景として取り込みます。手摺の高さ丁寧に設定することで周辺環境に対して閉じる/開くということを操作しています。

設計監理:
一級建築士事務所 岡松利彦建築設計事務所 ( 岡松利彦、松本高武)
構造設計:
設計室ALL (担当 吉田孝)
設  備:
三共設備工業
電  気:
興和電工
施  工:
太陽建設
所在地 :
東京都新宿区
敷地面積:
100.92㎡
建築面積:
61.30㎡
延床面積:
163.61㎡
構造規模:
鉄筋コンクリート造 地上3階+ロフト
設計期間:
2012~2013年
施工期間:
2013~2014年

画像をクリックすると拡大します

  • 一覧ページに戻る
  • メディア掲載
  • 無料相談
  • ブログ
  • 併用住宅ガイド